抜け毛に亜鉛をとらなくては~
ふだん少食で、足りない栄養をなにかとサプリメントですませてしまう人がいますね。時間がないとか、いろいろ理由もあるようですが。
まあ、もともとそういうのがカッコよくて好きという好みもあるのかな?知人にサプリ達人がいるので、先日、こっそりとある相談をしました。
最近、抜け毛が多くなって、頭頂部がスカスカになってきたので、「なんかいいサプリはない?」と聞いてみたわけです。
すると、彼も抜け毛の予防対策をしっかりしていたらしく、大豆や豆腐のイソフラボンがいい、サプリで飲むなら亜鉛がいいという話を聞きました。
でも、亜鉛をたくさん飲めばいいというわけではないそうです。
飲み過ぎは副作用も出てしまうとか。胃腸障害が出たり、貧血が起こりやすくなったり、逆に免疫力が低下してしまったり。亜鉛が不足しても免疫力が低下、飲み過ぎても低下というのは、なかな摂取のしかたがむずかしいですね。
いっぽうで、こんな意見もあるそうです。
亜鉛は吸収があまり良くないので、ちょっと多めにとるほうがいいとか。でも、上限値と言われてる数値が15mgとか、9mgだとか幅があるんですよね。なんだか、こんがらがってわからなくなります。
やっぱり、サプリメントは慣れないので、とりあえず自然な食品で摂取していくことにしました(笑)。
髪の毛が早く伸びるようにとか、抜け毛がおさまるようにとかいっても、いろいろ調べてみると、やっぱり時間はかかるし、総合的な栄養をしっかり長期にわたってとらないと意味がないようなんですよね。
亜鉛の吸収を高めるのがクエン酸だそうで、いっしょにとるといいらしいです。ということは、牡蠣酢なんて最高ですね。あとは毎日、納豆を食べて豆乳を飲めばいいようなので、これから実験してみます。
食物繊維と大豆のフィチン酸は、亜鉛の吸収を妨げるそうですが、クエン酸・ビタミンCを多く含む食べ物をいっしょにとればいいようですね。
ちなみに、こちら⇒「髪がすごく抜ける」は抜け毛に悩んだ人のサイトですが、「ビタミンAのとりすぎは頭皮の乾燥を招いて脱毛につながる」という話が出ています。
サプリでとり過ぎている方はご用心くださいね~。
寿司屋で老婆が血まみれに!
前回から続きます。寿司屋で「ほたての貝紐」が引っ掛かった前歯から、強引に指で貝紐をひっぱりだし、また食べはじめたツネさん。
そして、しばらくしたとき。目の前で食べていた、あの前回入れ歯を忘れたトヨさんが、真っ青になってツネさんの顔を指さして言ったのです。
「あ、あ、あ、あんた!どうしたの!」
「えっ?!」
周囲の友人たちがツネさんを見ると、口の中が血だらけで唇のまわりも血があふれています。
「キャー、やだツネさん!」
鮮血でネタの色さえ、わかりません。まるで老婆のドラキュラ……。
あわてて化粧鏡を取り出すまわりの人々。ポカンとしているツネさんに鏡で見せます。
「あっ!」
鏡で確認しながら、自分の舌でも口の中を確認するツネさん。ようやく事情が飲み込めました。
貝紐を引っ張ったとき、前歯がポキンと折れたか、根本から抜けたかしてしまったのです。本人の舌の感触では抜けている様子……。
しかも、その前歯が抜けたのを知らずに、寿司ネタといっしょにのみこんでしまったのですからたいへんです。
慌てて、舌で前歯の傷口を抑えて止血するツネさん。
そのへんな顔に、ほかの同行した仲間は笑いをこらえるのが精一杯。
おこるわけにもいかず、ツネさんはへんな顔をして止血するばかり……。
ちなみに、毎年、一行が旅の最後にかわす挨拶は、「来年も、死なずに会いましょう」だそうです。
旅行の忘れ物を届ける息子
前回から続きます。サービスエリアで30分の休憩がとられることがわかったトヨさん。
「今のうちに追いついて、早く!早く入れ歯をもってきてちょうだい!」
必死に高速を車で飛ばす息子。とうとう、出発間際のバスに追いつきました!バスに乗り込んできた息子が母に渡します。
「お母さん、入れ歯!」
「はいよ!」
受け取って、カパッとトヨさんの口に装填される入れ歯。
その瞬間、拍手と歓声が沸きました。息子は赤っ恥をかきながら、車へ逃げるようにもどっていきました。
「まったくあんたは、そそっかしいんだから……」
トヨさんにむかって、友人のツネさんが笑います。次の主人公が自分になるとも知らず……。
ちなみに、この旅の目的地は東北地方でした。次の事件が起きたのは地元のおいしいお寿司屋さん。
さっきトヨさんを笑ったツネさん。お寿司をつまみながら、「おいしいね~」と心から満足していたのです。
すると、前歯になにかが引っ掛かりました。
指で引っ張って確認してみると、「ほたての貝紐」が。苦笑するツネさん。
「あ~、年をとるとすきっ歯になって、よくはさまるよ。やんなっちゃうね、ほんとうにねえ」
彼女は貝紐を強引に指でつまんで、前歯からひっぱりだし、また食べはじめたのです。
ところが……。
※★をつけてくださったみなさん、ありがとうございます。このお話は次回、完結です。
お年寄りのバス旅行はこわいよ~
静岡県のある小さな地方都市。お年寄りばかりが十人ほど集まる旅行グループがあります。
平均年齢75歳。みなさんは毎月、積み立てた年金で年1回、国内のバス旅行をするのがならわしとなっています。
ですが、顔を合わすメンバーは年々に少なくなります。そう、お仲間がお墓に入ってしまうからです。
それはともかく、ともかく今年も無事に生き残ったメンバーは、めでたくバス旅行を決行しました。
無事に集合すると再会を喜び合う一同。
旅先に向かってバスが高速道路を走りはじめました。すると、突然、80歳のトヨさん(仮名)が叫んだのです。
「入れ歯!入れ歯がない!うちに置いて来ちゃった!」
周囲の人がいっせいに笑いますが、トヨさんにしてみれば深刻だったのです。
「入れ歯がなければ食事もできない。旅行に出かける意味がない!」というのですからたいへん。でも、スケジュール通りに動いているバスは止められません。
トヨさんは知人の携帯電話を借りて、慌てて自宅に連絡を入れました。運良く、自宅にいた息子さんに事情を話します。
「高速を飛ばして、今すぐ入れ歯を持ってきて!」
息子さん、せっかくの休日なのに、入れ歯をかかえて高速を車で飛すことになりました。
しばらくすると、バスがサービスエリアで30分の休憩をとることがわかりました。
スパイダーマンになれるぞ~
前回の続きです。危ないよ、隣のおばさん……。こんなとき声かけないでしょ、ふつう!
でも、ひさしぶりに顔を合わせたので屋根から愛想をふりまきます。
「はぃ……おばさんもお元気そうで……」
近所の人と挨拶をするのはこんなときか、高い木に登っているときばかり。相手からすればよく見えるからかもしれないけど、タイミング見て声かけてよ~。
ふたたび瓦屋根をのぼる私。すると、行く手をさえぎるテレビのアンテナ。
迂回すると、さらに急斜面。夏の太陽に焼かれた瓦はむきだしの素肌でさわると、やけどしそうです。これぞ、断熱効果。
足がふるえ、呼吸が乱れます。ようやく、頂上に到着。
瓦を突き破って、50センチものペンペン草が2本生えていました。昔の家なので瓦の下は土です。
おそらく、先に瓦にヒビが入り、そこから鳥が運んだ種が入ったのでしょう。草を抜いてビニール袋に入れ、下に投げ落としました。
次は補修。屋根から降りて、モルタルをこね、割れた瓦の代用にするのです。
2度目に屋根にのぼるときは「這いつくばりかた」もうまく心得て、素早く移動できるようになっていたのが不思議です。
明日スパイダーマンになっても、だいじょうぶかもしれません。
それにしても、これからもこんなことでずっと登り続けるのか、それとも新築にするのか。でも、費用は?
私が屋根の上でいろんな未来をイメージして悩んでいると、猛暑に狂ったようなセミが瓦に突進して、豪快に落ちていきました。
おしまい。
屋根瓦をのぼるとき
前回の続きです。バリバリ、メキメキ……。カーポートの屋根を這いつくばって、ふたたび前進した私。
やっとカーポートから屋根瓦の端にたどりつきました。でも……。屋根瓦がツルツルなんです。しかも、斜面でいい角度。
そりゃそうですよね、雨が勢い良く流れなくちゃならないんだし。私、スニーカーです。だいじょうぶなんでしょうか。
すぐ下に隣の家の敷地がありました。隣のおじさんが見栄をはって買った黒いBMW。もう古いし、猫の爪にかじられたりしています。
瓦屋根の斜面を転落してあの上に落ちたら……。
コンクリートよりは怪我が少ないかもしれないけど、斜めに落ちたり、変な角度に落ちたりしたら、車の角とかに頭をぶつけて、もっと大怪我になるかも……。
悪いイメージばかりが浮かんでしまいます。いや、ここは勇気、勇気!
ゆっくり立ち上がって、足場となる瓦に足をかけてみると。
瓦は老朽化してグラグラ……。ああ……。この急角度をてっぺんまで登っていけるのでしょうか。
ゆっくり、ゆっくり登ります。音を立てるな。すると!
「あらあら、危ないわよ、気をつけて!」
突然、へんな方向から声がかかり、足がツルッ。あっ!
伏せて瓦にへばりつく私。危ない、危ない。なんだ、隣のおばさんじゃないか……。
ペンペン草を抜きに行く
前回の続きです。古い平屋の瓦屋根のてっぺんから生えてきた「ペンペン草」を、母親に頼まれて抜きに行くことになった私。
こんなとき、アクション映画のワンシーンを思い出します。
主人公と悪役が取っ組み合って、ビルの上から落ちる。カーポートの屋根に派手に転落して、ズボッと人型に通り抜けて、さらに下へ転落のパターン。
でも、私の実家のカーポートの屋根はグニャグニャの素材。しかも、その下はコンクリート。
「大丈夫だよ。屋根は危ないけど、支えになってる鉄骨のところを這っていけばいいんだから」
母はなんともないように言いますが、私が乗ったとたん、鉄骨はグラグラと派手に揺れます。よく見てみれば、鉄骨ではなく、硬いアルミ。
そもそも人が乗ることなんて想定外のはず……。
「だいじょうぶ、だいじょうぶ!」
説得力のない母の声を背中に受けて、カーポートを這って屋根のはしのほうへ向かいます。
あっ、これはさっき見た腰砕けの飼い猫、ミーにそっくりだ……。
いつのまにか、母の横にきていっしょに見物しているミーもニヤニヤ顔。なによ、そのへっぴり腰は、フフフ……。
バリバリ、メキメキ……カーポートの屋根が悲鳴をあげます。
這いつくばって、前進、また前進。
まだ屋根瓦の端にもたどりつけません。真夏の太陽がじりじりと私を照りつけていました。